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brain
感性とは?
研究のコンセプトと目指す社会

「心の時代」と呼ばれて久しくたちますが、真の意味でのその到来はまだ先かも知れません。 これまでの商品やサービスは目に見える物質的な価値が中心で、理解しやすく、金銭的価値にもなじみやすいため、 多くの経済活動を支えてきました。 その一方で、コミュニケーションや共感という言葉があふれる現代でも、それをうまくビジネスに取り込んでいるのは ごく一部の企業でしかありません。 私たちは、精神的価値こそ、人をよりよい社会に導く鍵だと認識しています。そこで、感性メカニズムを解明し、 精神的価値を「可視化」することで、物質的経済活動と同じような発展が望めるのではと考えています。 脳科学に基づき、科学的なアプローチで、精神的価値を可視化し、経済活動に取り入れ、誰がも住みやすいよりよい社会を築く手助けをする。 それが、我々の研究のコンセプトと目指す社会です。

感性イノベーション研究推進機構長

感性COI広島大学中核拠点
 
プロジェクトリーダー

吉田 秀俊
(広島大学 客員教授)
統合解析パッケージ
ツール紹介

感性メーター[ワクワクメーター]

脳波計を用いて、「驚き」「期待」「発見」のときに生じる「わくわくした気持ち(ワクワク感)」を定量評価できる世界初の技術。ウェアラブルでワイヤレスな高精度脳波計を用いてリアルタイムに経時的測定が可能。

血管剛性測定 

指先や手首に装着したデバイスで血圧と血管容積を測定し、リアルタイムに血管の硬さを定量評価できる世界初の技術。血圧や脈拍を測定できるウエアラブルデバイスで、ストレス、痛みなどを評価するデータを経時に取得可能。簡便に健康やメンタルヘルスに関する情報が得られる。

表情音声心情識別

表情・声のトーン・発言の内容を統合して判断することで、感情を推定するアルゴリズム。機械学習で感情を推定するシステムの土台が完成。一般的なパソコン、パソコンに搭載されたカメラは、マイクは指向性が高いものを別途用意。

触感デザインツール

触感を惹起するメカニズムを解明し、触感の数値化・評価のアルゴリズムを構築。プロダクトデザインにおいて非常に重要な手触り、肌触りの数値化・標準化した議論・評価が可能に。様々な商品の触感測定・評価サービスを行うことも可能。

力感デザインツール

外力を受け止める全身の感覚「力感」を、技術筋骨格シミュレーションを用いて推定し数値化するシステム、アルゴリズムを構築。人を正しくアシストするデバイスやロボットの設計、開発に応用可能。

場の盛り上がりの可視化と定量評価

全周囲カメラで表情、身体動作、音声を測定し、共感度や場の盛り上がりを推定。笑顔や頷きの同期などを複数名同時に計測することで、会話や場の雰囲気(盛り上がり度)と集中度をリアルタイム(0.5秒ごとに)で可視化。

感性フィードバック制御

装置・機械の制御に操縦者、利用者の感性データを反映することで、満足度の高い操作性を実現する制御システムを構築。現在、油圧ショベルの重機の作業装置の操作において実験を進めており、操縦者の感性データ取得に感性メーター(C1)のカスタマイズに取り組んでいる。

脳波(SPN)による予期可視化

感性COIでは、外部刺激に対する予測と実際の刺激の誤差(予測誤差)がワクワク感や不安感などの感性を引き起こしているという仮説のもとに研究とツール開発を進めている。脳波のある成分が、この予測と予測への自信を反映することを確認した。

内受容感覚計測による感性評価の指標

感性は外部刺激だけではなく心拍や内臓の動きを刺激として受け取る内受容感覚によっても惹起される。この内受容感覚の鋭敏さを心拍を用いて評価する手法を開発した。感動時の身体反応、脳活動、感情評定に相関がみられることを確認。

安静時脳活動測定による性格特性の同定

安静時(外的刺激が存在しない覚醒状態)脳波の測定と、質問紙等により調べた個人特性(性格特性、内受容感覚への気付き)の相関を調べることで、性格特性(Big Five)が同定できることを確認。現在は基礎研究レベル。

感性ユーザモデル

定性・定量調査を統合し、高品質にユーザーをクラスタリングできる。すでに、教育事業や広告事業等で社会実装例がある。今後は利用企業の連携により解析結果を共有することで、地域社会・経済に貢献することが目標。

空間イメージ能力指標

空間イメージ能力には個人差があり、この個人差がモノに対する価値に影響することが分かった。これを利用し、商品・サービスなどの価値を向上させる最適な方法を推定することなどが考えられる。

Real-time visual saliency

無意識的な視覚的特性を数値化・可視化する技術。
画像を分析(計算)することで、視界の中でヒトがどこに⽬を向けるかを予測し、実際の視線と同時に可視化するシステムを開発。
リアルタイム化、ポータブル化により、活⽤場⾯を実社会環境に拡⼤。
2021年度中に販売開始予定。

表情認識システム

撮像した顔画像から⼈間の情動状態を推定するシステム。前処理、深層学習を組み合わせることで、実環境下でも有
⽤な技術を開発。この技術に⼼理物理実験の知⾒を組み合わせることで、⼈間の認知メカニズムに基づく更なる精度向上を図っている。

顔感性カメラ

人の顔を撮影したデータから、血流の微かな変化を検出し、そこから脈波(心拍による血流の波)をリアルタイムに測定。RGBカメラの技術および脈波測定のアルゴリズムは実用化レベル。目的にあわせ装置・アプリケーションをオーダーメードで開発することが可能。

身体表面振動メーター

スペックル・シアリング干渉振動計測装置によって身体体表面(手首)の微かな振動を非接触で計測。心電図でみられるような詳細な脈波データを得ることに成功した。手首以外の部位、さらに脈波以外の振動計測も試み、事例を増加させている。

Future forecast
精神的価値が向上する未来予想図
リサーチリーダー 笹岡貴史
感性の仕組みや統合解析パッケージの紹介動画